short

□共依存
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※吹雪が気持ち悪い







ねぇねぇ名無しちゃん大好きだよ
だからこっち向いてよ


「名無しちゃん大好きーっ」
「吹雪君重い」

と言いながら名無しちゃんは僕を無理に引っぺがしたりはしない。
さすが名無しちゃん優しいなぁ。
僕そんなところが大好き!
面倒見いいところも、でもちょっと人見知りなところも、真面目でクラスの女子となかなか噛み合わないところも、それで色々と言われて名無しちゃんが歯を食いしばって泣いていたことも、
僕は全部全部知ってるよ?
ねぇ名無しちゃん。名無しちゃんが人付き合いが苦手で僕本当は嬉しいんだ。
だって名無しちゃんは僕を頼ってくれるでしょ?
一緒に実験する時やご飯の時、行き帰りや移動教室、さすがに体育の時までは一緒に居れないけど僕を必要としてくれるでしょ?
僕はそれが嬉しくて嬉しくて堪らないんだ。
あぁ僕以外に近寄っちゃ駄目だよ?だって名無しちゃん汚れちゃうよ。

でも僕と一緒にいるせいか名無しちゃんは女の子に恨まれているみたい。
名無しちゃんをいじめるなんていくら女の子でも許せないなぁ。
名無しちゃんは笑顔で僕の傍に居るべきなんだ。誰にも壊させない。

「吹雪君?」
「何でもないよ」

そう

名無しちゃんは何も知らなくていいんだ


でも僕は君の全てが知りたい



君は朝何時に起きて何を食べて学校に来て何を思って泣いて何をしてから寝てどんな夢を見て寝るの?
―全部知りたい


…あはっ、これって矛盾だよね



「あのね吹雪君」
「?」
「最近誰かに見られてるような気がするんだ」
「えーそれは心配だね」
「どうしよう……」

そんな不安そうな顔の名無しちゃんも可愛いなぁ。
誰かにとられそうで心配だ。
勿論、僕はそんな失敗はするつもりないけど。
ストーカー?そんなのいたらやっつけてあげるね。
僕の知らない君を見ず知らずの男が知ってるなんて…………やだなぁ。

「大丈夫」
「でも」
「僕が一緒に帰ってあげるし部屋もちゃんとチェックしてあげるから」
「……吹雪君」

あぁ泣いた顔も可愛いよ。
いいねその顔。
僕に申し訳ないと思いながらも僕に縋ろうとする表情。たまらない。


「だから」




僕のこと好きって言って?





笑顔で言ったつもりなのに彼女は何故か絶望したような顔をした。






(ごめんね)
(ストーカーは僕なんだ)
(あ、でもやめる気はないよ?)
(そんなことしたら誰が名無しちゃんを守るの?)
(誰が名無しちゃんにメールするの?電話するの?)
(好きだからだよ)
(………わかってよ)
(わかってよ、)
(ねぇ何でわからないの何で拒絶するの僕はただ名無しちゃんが大好きで大好きで大好きで愛してて愛してて愛してる愛してて)
(僕なら何だってしてあげるよ名無しちゃんの思うような彼氏になってあげれる)
(ほら、名無しちゃんは僕がいなきゃ)
(……ね?)









ストーカーしてしまう吹雪と吹雪に頼ってしまう主人公の共依存。吹雪はヤンデレ要員。

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