白竜と

□同居
2ページ/2ページ

白竜と道を迷いに迷いながらひたすら歩いているとついに知り合いを発見した。
運のいいことに特徴的な学ランを羽織っている剣城君に会うことができたのだ。
それにしても制服ださい、とは言っちゃだめですね。


「剣城君いいところに」
「はぁ?」

剣城君は急に話しかけられたので訳がわからないといった表情をしてこちらを向いたが
私と白竜の顔を見ると目を見開いた。

「名無し!白竜!」
「この間ぶりだな剣城!」
前髪を払いながらドヤ顔をする白竜に剣城はいらだったのか右拳を握りしめた。

「……名無しこいつ殴っていいか?」
「私が道連れになるからそれだけはやめて」
白竜と道連れとか嫌すぎる、いやもう一回経験してるんだけどね。剣城君たちのせいで。(←ここ重要

剣城君はまた訳がわからないといった表情を露わにしたが下に視線を向ける。
視線に促されて私も見るとそこには私の手と白竜の手が握られた場所だった。
上を見上げると剣城君とがっつり視線が交錯する。


「…………子守り御苦労さん」
「剣城君今度ゆっくり話そうか」



剣城君は私に対して色々と失礼な子である。
他の先輩には敬語をちゃんと使うのに私には敬語のけの字も見られない。
白竜は私のことを年上だと気付いていないが。あれ?なんだか目から汗が。
でもなんだかんだ言って剣城君は私を慕ってくれるのでかわいい弟分なのだ。


「で、何だよ?」
「そうそうショッピングモール近くにない?」
「あぁ…それなら…というかお前ら携帯とか持ってねぇの?」
「そんなの文明人が使うようなものだよ!」
「持ってねぇんだな」

中学生で携帯を持っていないことがそんなにいけないことですか、剣城君。
ショッピングモールの行き方を教えてもらったついでにモバイルショップの場所まで教えてくれた剣城君は本当にいい子です。
最後に白竜に必要以上に絡まれている剣城君をかわいそうだと思ったのは…胸にしまっておこう。





それからというもの白竜はやっぱり連れてくるんじゃなかったと後悔することばかりだった。


「名無し!似合うか?」
「似合う似合う」
「ふっ当然だ」(どやぁ
「(こいつうざい)」


「名無し!これなんかお前に似合うぞ!」
「白ばっか…でもこのスカートかわいい」
「結婚してくれ」
「黙っとけ紙メンタル」


「名無し!今日はカレーがいい!」
「もうなんでもいい」
「明日は肉じゃがな!」
「カレーはしばらく続きます」



白竜の猛攻にかかりました…。
そりゃもう見事に。

剣城君が逃げるように去って行った理由がよくわかりました。
とりあえずうちの我儘白王子は

馬鹿わいいです。


(そしてそんなことを思ってしまう私は真性の白竜馬鹿です)




NEXT
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ