京介が

□シスコン
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「食べれるのかそれ?」
「名無しのご飯はおいしいけどデザートはまだちょっと早いんじゃないかな」
「黙れくるくるコンビ」
「姉さんもくるくるだろ」
「ゆるふわとお呼び」
「気にしてるんだ」

この兄弟は折角私が一生懸命作ってきたデザートにこれでもかというほど苦い顔をしている。
おまけにいまだに上手く扱えない髪の毛のことまで指摘してくる。
何で三人ともパーマなんだろう。両親はそうでもないのに。
母さんもしかして……ストパかけてる?
うわぁいいなぁ私もかけたい。

じゃなくて

「食べるの?食べないの?」
「姉さんマスカット好きだよな、俺これ」
「じゃあ俺はみかんかな」

……

これいじめ?

何で私の好きなものを先に取るの!わかってたなら置いとくのが筋ってもんでしょ!!

やけくそになって最後に残った桃のゼリーを頬張る。
桃缶やっぱうまいね!!いいよ桃も大好きだから!!

優一兄さんが見兼ねたのか「一口あげるよ」と言ってゼリーの乗ったスプーンをこちらに向けた。

兄さん……っ!!あなたは神ですか


「わーい兄さん大好きー」
「はいはい」
「……兄さんっ」
「何京介?」
「餌付けしちゃだめだろ」
「おい京介顔貸せ」


聞きましたか、


何かもう今日は京介のデレが見れないと思っていた方がいいかもしれない。

京介は挙句の果てに私を野良扱い。

ほんと何なのお前。中学生になるから反抗したいの。そうなの。
……頭にきた。

京介の胸倉を掴み顔を近付かせようとする。
だが、私の口の中にいきなり何かが入ってきて全体に甘い味が広がる。

え?



「ほれ餌付け」
「なっ」
「ごめん兄さん」


姉さん俺のだから、と意地悪く笑う京介。



え、何これ叫んでいいの。
叩いていいの。恥ずかしがればいいの。


「取り敢えず言っていい?」
「何だ」

「京介はシスコンなの?」

「……」
「いや、ブラコンなのは知ってたけどね」
「……」

京介、黙ってちゃわかんないでしょ。
兄さんはいまだに京介の発言が信じられないのか微妙な顔をしている。
何とも言えない顔、というのはまさにこのことだろう。


「…姉さん」
「何」
「もう一口いるか」
「ごまかした」

京介の頬をつつくと無理矢理スプーンを口に突っ込まれた。
もっと丁寧にやってくれないかな。

優一兄さんは「仲が良くて何よりだよ」と詰まりながら呟いた。
本当にごめん兄さん。私も訳がわからない。

私も合宿から帰って来た京介は急にシスコンになってびっくりしてる。

帰り道京介が私と恋人繋ぎして帰りたがったのには流石に逃げた。






どういうことなの!!京ちゃん!






(目離したらいなくなってそう)
(私は子供か)
(えっ違ったのか)
(お前より2歳年上だよ)
(あ、ゼリーうまかった)
(言うのが遅い)







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始めてしまった剣城シリーズ。最初はもっと甘々にするつもりだったけど断念。徐々に。
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