天地創造
□呼び声
1ページ/14ページ
「なぁ、オレを呼んだか?」
「いや、呼んでないよ」
「…そうか。」
いや、呼んでないなら良いんだとアークはそのまま何か考えながら黙り込んでしまった。
ここはアークの家。
正確にはクリスタルホルムに住む男達の家である。
日中は居間にみんなで集まる。
大きなテーブルを囲み、酒やカードなどに興じる。
今日もいつものメンバーが集まっていた。
そんな居間には四つの扉がある。
ひとつは長老部屋の扉。
ひとつは玄関への扉。
ひとつは寝室への扉。
最後は開かずの間へと続く扉。
長老が「開けてはならぬ」と厳しく定めた扉だ。
そういえばと、別の人が口を開く。
「長老さまがアークを呼んでたよ。」
またなにかしたのか?と赤い顔を歪ませながらニヤニヤしている。
思い当たる事がありすぎる…。
青くなりながら席を立つアーク。
しぶしぶ長老の部屋へと入っていった。
ややあって、長老の部屋から出て来た。
不機嫌なオーラを醸し出しているアークは恨めしそうな眼をこちらへ向ける。
そのまま何も言わずに玄関へ続く扉から出ていく。
,