―本棚―

□コードギアス・反逆のルルーシュ
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コードギアス スザク×ルルーシュ
“最期まで……”

「ルルーシュ。」
月が昇る最中。皇居の敷地内にある湖の湖面を見つめていると、背後から影が近付いてきた。
「スザク……」
「どうしたんだい、こんなところで。もうすぐ……なんだろう。」
「ああ、そうだな……」
ルルーシュが皇帝になって、スザクはその片腕たる新たな役職に就き、その日から、すべての人類から恨まれる存在になったのだ。自らその人々のために……
「これで、よかったんだよな……」
波一つない湖面を見つめていると、そんな問いかけばかりが浮かぶ。
「今からでも遅くない。やめたらいいじゃないか。」
「わかってるくせに……」
スザクの申し出に、思わず笑みが零れる。そんなことをしたら、今までしてきたことがすべて水の泡に帰す。明日を手に入れるためにしてきたことが、すべて。
「僕は……ルルーシュ、君がすべてを背負って死ぬなんて納得したわけじゃない。」
「それでもお前は協力しなければならない。背負うのは俺だけじゃない。お前もだ、スザク。世界は一人の悪役に罪を背負わせ、一人の正義に次の世界の創造を任せる。悪も正義も、大した違いはないのに。正義の役目をお前が、悪の役目を俺が負う。俺のいなくなった世界はすべて、お前に任せる、スザク。」
「……。」
スザクは黙ったまま、残り数日の寿命となった世界の敵である皇帝を見つめた。
ルルーシュはうつむくスザクを一瞬だけ見つめると、ふっと笑って立ち上がった。
「スザク。」
「え……んっ……」
最後とばかりに唇を合わせる。悲しくなるくらい、そのキスは優しくて、この人が消えるのだと思うと、スザクの頬に涙が伝った。
「……泣くな。これが、俺の罪の結果だ。」
「……僕は、君が好きだった。ずっと……許すことのできないことをしても、何をされても、それでも……ずっと……」
天頂に上りきった月が、抱き合う二人のシルエットを浮かび上がらせる。
世界はなぜ、こうも悲しいのか。
今はこの時が少しでも長く続くように、二人に願えるのはそれだけだった。
数日後の悲しい明日に向け、月が傾いていく……

〜END〜


・あとがき・
拍手小説にもしてます。
コードギアスのルルとスザクはどっちを攻め、受けにしようか悩む・・・
最終話の少し前、な感じをイメージで。
あのラストは切ないよなぁ……
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