―本棚―

□〜CLAMP二次創作短編小説〜
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合法ドラッグ小説
〜いつもと同じ目覚めの時〜

ジリリリリリリリッ……!
騒々しい目覚ましの音。風疾の朝はこの音から始まる……ハズだった。
「五月蠅い。」
「……いっ……て……」
風疾のベッド脇の目覚ましの音で先に起きてしまった陸王は、その音源を止め、ついでにその騒音の中、気持ちよさそうに寝入ったままだった風疾の上に自分を起こした原因である時計を落とした。
「早く起きろ。今日の朝食当番はお前だろう。」
「わかってるよ……」
寝起きでぼうっとする頭と動こうとしない身体を叱咤し、のろのろと起き上がる。
「んー……」
「目が閉じてるぞ。」
「うーん……」
返事はしたものの、朝食を作るためにコンロに掛けたフライパンに油を入れる手すら覚束ない。
昨日は本当に遅くまで花蛍に働かされ、ベッドに入れたのはすでに日が変わった後だった。陸王も一緒だったが、風疾より目覚めが良いのは何故だろう。
「そんな状態じゃ危ない。いい加減、目ぇ覚ませ。」
「んー……んッ!?」
目を覚ませと言われ、その返事をすると陸王は突然、風疾の顎を持ち上げ、その唇に自分のそれを重ねた。
突然のことに驚き、一気に脳が覚醒する。
「んーんッ! はッ……! おま……いきなりやめろよ!」
「目が覚めたんだから、いいだろうが。それより、早くしないと花蛍にどやされるぞ。」
「〜〜〜ッ!」
火照った自分の頬が歯痒い。言い返せない悔しさを朝食用の卵にぶつけるわけにもいかず、寝癖の付いた髪をぐしゃぐしゃと掻きむしる風疾だった。

〜END〜


陸王と風疾小説・・・久々に書きました〜;;
本当に短い・・・
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