泣かない人形

□1:真Shin
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僕はそっとリンのベッドの側まで来た
ベッドには青ざめた顔のリンが眠っていた

「キレイ…」

男の人に言うことじゃないかもだけど目をつぶったリンはほんとに綺麗だった

(見た目は確かに人形みたいだけど)

それでもリンは確かに呼吸をして生きてるれっきとした生きた人間なんだ

少し髪に触れてみた
漆黒の髪は細くて猫っ毛で柔らかい

「ん…」

びくっ

触ったからかリンが身じろぎした
声(っていうかうめき声だけど)を初めて聞いた
突然で何故か緊張した僕は固まってリンの出方を伺った

「…部屋……か…あー、ミスったぁーお仕置きかなーヤだなー」

・・・予想外!

手の甲を目の上に乗せ呟くリン

(え、あ、いや確かにさ男の人だけどさ、けどさ!!なんかやっぱこの顔でこの声ってさ!さすがに詐欺っていうかさ!低いっていうよりハスキー?いやいやでも勝手に声は高めかなぁとか性格もやっぱり凛々しいのかなぁとか想像してたのはこっちだし、あ、でもこれはこれで…って何考えてんの僕!でもやっぱり凹む!)

真は真で頭を抱えぶつぶつ頭の中で呟きリンはまた寝はじめようとしていた

「まーいーや水飲も」

手を降ろしそういってベッドから起きようと身体を横にしたリンは目を見開いた

「……え」

そこには頭を抱えあ、いやだとかいやでもだとかぶつぶつ呟いている主が寵愛している少年がいた
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