泣かない人形
□1:真Shin
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「人、形…?」
真の呟きには答えず電話を取り出した橋本
「友弥、私だ。リンを片付けておけ――あぁ、今接客室だ」
どうやら執事の友弥を呼んだらしい
電話を切ると真に向き直った
すぐに友弥はやって来て気を失ったリンを連れていった
「リンは6年前に買った私の人形だよ。それ以上でも以下でもないましてや人間扱いするなんて」
(酷い…)
「真…君にはこんな汚い話聞かせるべきではなかったね」
真はふるふると首を横に振って自室へと戻って行った
それから橋本は有谷への謝罪と詫びの用意を部下に命令し自分も自室に戻った
「リン……」
リンの自室は離れにある部屋で中にはベッドとクローゼットしかない
ベッドの脇に座り友弥はリンの頭を撫でた
コンコン
誰かが扉をノックした
普段誰もノックなどしないので誰だろうかと扉を開けるとそこには真が立っていた
「リンは…?」
「寝てますよ……どうぞ」
「ありがとう」
真が入ると友弥は部屋から出て行ってリンと二人きりとなった