泣かない人形
□1:真Shin
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「わぁー!すごいっ!お城だぁ」
「そんなに素直に褒められると喜ばしいね」
本当に綺麗な家だった
すごい広くて年甲斐もなくはしゃいだ
「さぁ、こっちだよ」
「あ、はいっ」
肩を抱かれて家の中へ入った
「あの、そういえばさっきの女の子は?」
「女の子?…あぁ、リンのことか、リンは男だよ?」
「えっ!!男の子!??」
「しかも男の子なんて年でもないよ、もう19になる」
「……!!」
驚いた
驚いて声も出ないとはこのことだ
僕より4つも年上だなんて
「気になるのかい?」
「あっ、いえ、ただ置いてきちゃってよかったのかなって」
「真は優しいね。いいんだよ、リンにはまだ仕事が残ってるんだ」
「仕事…」
すごいなとこの時はただ単純にそう思っただけだった
彼の仕事の内容なんて僕には想像なんてできなかった