泣かない人形

□1:真Shin
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「入れ」

男の人に促されて入った部屋にはソファーが二つとテーブルが一つ
どれも高級感漂っててとても綺麗だった


「やぁ、おいでよ、君は運がいい」

左側の男の人に呼ばれてそちらに行けば隣に座るようソファーをポンポンと叩かれたのでそこに座った

「この人が君の買い手で橋本将貴さん」

「よろしく」

そう言って手を伸ばして来た橋本さんはなかなか端整で優しそうな顔立ちで声もすごく優しくて知らず緊張していたらしく安堵の息を吐いた

「よろしくお願いします」

ふと橋本さんの斜め後ろに立っている人に目がいって驚愕した
すごく綺麗な女の人だった

「じゃあいこうか」

「え、あ、はい」

予想してたよりもあっさりと話は終わり橋本さんは立ち上がった
それに従って僕と隣の男の人も立ち上がる

「じゃあ料金は振り込んでおくよ」

「ありがとうございました、では」

そう言ってチラっと女の人の方を見ると橋本さんは好きにしてかまわないよと言って僕の肩を抱いて部屋から出ていく

後ろを振り向けばもう扉は閉まる寸前でその細い隙間から見えたのは女の人の悲しそうな顔だった







「君、名前は?」

「真、中川真です」

「真か、これからよろしくな」

「こ、こちらこそよろしくお願いします」

それから高そうな車に乗って橋本さん家へと向かった
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