泣かない人形

□1:真Shin
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僕の父さんは酷い借金だけを残して他界した

母さんと二人借金取りに怯える毎日
僕は母さんを守りたくて自ら売られる事を決意した

見た目が秀でていないから買い手がつくかわからないと言われたけどなんとか承諾してもらった

「ここだ」

あるビルに連れて来られてやっぱり怖くなって涙が出た
でも逃げたら母さんがと思って震える足を叱咤して進んだ




「おい」

僕を連れてきた男の人を別の男の人が呼び止める
何事かを耳元で呟くとそのままどこかへ行ってしまった

「よかったな、引き取り先が見つかったぞ」

「え」

それが良いことなのかどうか僕にはわからなかった
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