短編(アイシ・ヒルセナ)

□ハロウィンの夢
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そもそも外国人を初めて見て。それに皆ほとんど英語で喋っていて会話に入れない。
何も知識がなかったので、かぼちゃのちょうちんにひどく驚き、泣き出した。
そんなセナは、同じ年代でも大きな体躯の異国の子供たちの格好の遊び対象になってしまった。
子供たちはかぼちゃのちょうちんでセナを追い掛け回して、挙句にお菓子を取り上げて。
セナにとって初めて苛められた記憶はあのかぼちゃのお化けなのだ。
多分もっと時間が経てば、笑い話になるのかもしれない。
でも今のセナにとってはまだまだ苦い思い出だった。

いつの間にか眠ってしまったようだ。
気がつくと、セナは誰もいない部室に1人でいた。
そしてジャック・オ・ランタンがあった場所に目をやって、驚く。
先程は1つだけだったかぼちゃが数個に増えていた。
しかも頭だけだったはずなのに、かぼちゃたちには胴体も手足もあり。
その上皆セナよりも大柄だった。セナは思わず「ヒィ」と短く悲鳴をあげた。
これは子供の頃に苛められたときの記憶と同じ。でも何で?
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