短編(アイシ・ヒルセナ)

□Guardian
2ページ/3ページ

ヒル魔妖一。
悪魔のQB。地獄の司令塔。そんな評価を疑うことはなかった。
神龍寺戦で膝の痛みを抱えながら、歯を食いしばって走るセナを見た。
そのセナをついに交代させず、勝ちより大事なものはないと言い放った。
勝つためには手段を選ばない非情な男なのだと思った。

でも先程の峨王の襲撃。
もちろんセナを、ついでに氷室を守るつもりだった。
でも陸は見た。峨王の右手が振り下ろされる瞬間。
ヒル魔は2階から銃口を峨王に向けていた。
だからノートパソコンを引き寄せたのだ。

信頼して無茶なことをさせてるくせに、心配して守ろうとしてるということか。
意外に大事にされてるんだな。セナ。
不本意な会見だけど、不思議と後味は悪くない。
陸は軽い足取りで歩いていく。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ