頂き物&献上品(アイシ)

□【献上品】記念品
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モン太からヒル魔にそのメールが来たのは数日前だ。
クリスマスボウルはメンバーから外して欲しい。
原因は容易に推察できた。セナとモン太と鈴音は帝黒に偵察に行った。
本庄鷹を見て、自信を失ってしまったのだ。

失った自信を取り戻させて、また気持ちをアメフトに向かわせる。
モン太を入部させたときと同様に、小芝居のパターンはいくつかあった。
大会まで時間がない。さっさと練習に戻ってもらわないと困るのだ。
だが。それを止めたのがセナだった。

セナはモン太が大事にしたグローブを壊してしまったことに責任を感じていた。
代わりとして、今まで対戦した相手チームのレシーバーのグローブをかき集める。
そう聞いたときには呆れた。練習がある。時間がない。そんな時に効率が悪すぎる。

だがヒル魔はその案にのった。
今までの対戦相手の学校やレシーバーたちの情報をまとめてセナに渡した。
学校の連絡先や地図。選手の自宅住所や携帯番号。果ては最寄り駅までの電車の乗り継ぎ。
極めつけに相手がグローブを渡すことを渋った場合の脅しネタまであった。
セナはその情報に大いに感謝し、ほんの少し引きつつもありがたく利用した。
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