頂き物&献上品(アイシ)

□【献上品】リスク
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午後の最後の授業を抜け出し、彼は学校の外れの用具室へと歩いていった。
悪魔と対峙するための切り札というべき少年をそこに捕らえてある。
鍵を開け、中に入り、呆然とした。そこに少年の姿はなかった。
少年を縛っていた縄と口を塞いでいた布だけが残っていた。
「おい。」
不意に背後に気配を感じた。しかも銃口を後頭部に押し付けられている。
「小早川瀬那は返してもらった。」
彼が振り返った瞬間、ヒル魔は手にした銃の引き金を引いた。
背後の壁に銃弾がめり込む衝撃に彼の顔が引きつる。

ヒル魔は銃の照準を彼の顔に合わせた。
「うちの主務をあんな目に会わせやがったことを後悔しやがれ、糞野郎!」
「ひ。。。悪かった。。。」
ヒル魔は眉を顰めると、引き金にかけた指に力を入れた。彼がガタガタと震えている。
「今度こんなふざけた真似しやがったら、泥門にいられねぇと思え。」
ヒル魔が右足で蹴りを繰り出すと、彼は用具室の端まで吹っ飛んだ。
「すみません。。。もうしません。。。」
彼が土下座しながら情けない声で繰り返すのを聞きながら、ヒル魔は用具室を出た。
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