短編(アイシ・ヒルセナ)

□あとの祭り
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あとの祭り。
セナはしみじみとその言葉の意味を噛みしめた。

栗田の家であるお寺でお寿司をご馳走になっていた。
そこへ何故かNASAエイリアンズのメンバーがやってきた。
いつの間にか酒が入った狂乱の宴と化して。
そして今、動物公園の中で呆然としている。

未成年の飲酒、高速道路を暴走、動物公園の正面玄関を突破。
バレたら試合の出場辞退だってあり得る。
そして二日酔いの代表的症状である、頭痛と吐き気。
飲み慣れない酒など飲んだ代償だ。
極めつけは財布も携帯電話も栗田宅に置き忘れている。
数え上げたらキリがないほど、悪いことばかりだった。

横には鼻歌を歌いながら「ドゲザ」の練習を繰り返すパンサー。
やはり体力のみならず体質もパンサーが上なのだ。
今の状況では無重力の走り以上に羨ましい。

守衛の目を盗んで、何とか動物公園の外に出た。
歩いて帰るしかない、と何とかカタコトの英語でパンサーに言う。
パンサーはニコニコと「OK」と答えた瞬間。
二人の隣に、ハイスピードで走ってきた軽トラックが停まった。
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