短編(アイシ・ヒルセナ)
□警備員さんと小さな少年
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どっちもダメなんじゃねぇの?と俺は心の中で突っ込んだ。
警備員としては見過ごしてはいけない光景だが、あんなの捕まえられるわけがない。
せめてもの抵抗で、おい、危ねぇじゃねぇか!と叫んだ。
後ろの小さな子供が俺にすみませ〜んと叫び返してきた。
ん?今の声はどこかで聞いたような気がするが。思い出せない。
しばらくして休憩の時間になった。俺と交代で警備する先輩にその場を引き継ぐ。
先輩がそういえば、といいながら俺に聞いてきた。
オマエ、泥門高校だったよな。今年の泥門、アメフト部が強いんだって?
アメフト部?そういえば去年1年生が3人で作って、勧誘とかやってたような。。。
はっきり言ってそれ以上の記憶がない。でも俺は先輩に笑って答えた。
泥門生は根性ありますから、きっとイイ線いきますよ。
案外優勝しちゃうかもしれないっスよ。
【END】