短編(アイシ・ヒルセナ)

□口紅ファイター
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セナが赤く彩られた自分の唇を見て笑うヒル魔に気づいた。
ヒル魔が困ったように目を伏せるセナを見て、また笑う。
一瞬だけ絡み合った二人の視線はすぐに離れた。
まさか。鈴音の表情が強張った。
ヒル魔とまもりが喋っているときに、元気のないセナ。
セナは好きなのはまも姉ではなくて−−−!

おい、糞チア!と不意に声をかけられて、鈴音がギクリと肩を揺らせた。
声の主は。たった今、自分を動揺させた地獄の司令塔。
しっかり応援しやがれよ。と鈴音を見下ろして、威嚇するように言う。
それは試合のことなのか、それとも。。。
よし!と鈴音は息を大きく吸い込んだ。
ヤー!絶対に負けないよー!と大きく両手を振り上げる。
頑張ろうぜ!オ〜!と部員たちの声が重なった。
ヒル魔が唇の両端をつり上げて、不敵に笑った。

【END】
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