短編(アイシ・ヒルセナ)
□Guardian
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セナは陸と別れた後、ヒル魔が待つ2階のカフェに向かった。
「もう怖かったですよぉ」
マイク付きのカメラをヒル魔に渡しながら、半分裏返った声で訴える。
ヒル魔はケケケと笑いながら、それを受け取った。
「帰るぞ。」
セナは「はい」と答え、先に立って歩きだした。
そのセナの後姿を見ながらヒル魔は思う。
セナが逃げられずに、峨王にやられるようなことになれば。
躊躇うことなく引き金を引いていた。
甲斐谷陸は多分、それに気づいただろう。
それを思うと何だか面白くない。
「どうしました?ヒル魔さん」
「何でもねぇ。」
テメーが無事でよかった。なんて言ってやらねぇぞ。
ヒル魔が長いストライドでセナを追い越していった。
待ってください〜とセナの声が追いかけてくる。
【END】