拍手短編(アイシ)

□ジレンマ
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泥門デビルバッツのメンバーたちはゾロゾロとラスベガスの街を歩いていた。
トレーナー溝六の借金返済のため繰り出したカジノ。
ヒル魔がブラックジャックで大勝し、意気揚々と宿泊するホテルへ戻るところだった。

セナはわざと歩調を緩めて、最後尾を歩いていたヒル魔に並んだ。
ヒル魔は怪訝な表情で、真横に来たセナを見た。そして何だ?と問う。
するとセナはいきなりヒル魔に向かって、深々と頭を下げた。

ずっと謝ろうと思ってて、タイミングがなくて。
NASAエイリアンズとの試合、最後までもたなくて。倒れちゃって。
ホントにすみませんでした。とセナはもう一度頭を下げた。
今更謝ってみたところでどうにもならないことはわかっている。
だがあの時の。自分の身体がいうことを聞かないあのジレンマ。
思い出しただけでも情けなくて、申し訳ない気持ちをヒル魔に伝えたかった。
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