拍手短編(アイシ)

□卑怯がモットー
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あれ?と小さな声でセナが呟いた。
そのちっこい身体がグラリと揺れた。

巨深戦の直前、水町の挑発に自信喪失した小結が姿を消した。
皆が手分けして捜しているが、見つからないと言う。
バイクで捜したら、早ぇんじゃねぇ?
戸叶の一言に、俺も十文字も頷いた。
俺も変わったな。つくづく思う。
「卑怯がモットー」などと看板を掲げるこの俺が。
赤っ鼻の生意気なチームメイトを必死に捜すなんてな。

ようやく見つけた小結はセナや姉崎マネやモン太らに囲まれていた。
やつらは小結が見つかったことに喜び、笑っているが俺らは違ェ。
とりあえず怒鳴って、殴りつけて、小結も元に戻って、気が済んだ。
その途端にセナがよろけて、フラついたのだ。
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