短編(アイシ・十セナ,ムサヒル)

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デビルバットダイブで逆転。
言いかけたヒル魔の言葉が、途中で止まった。
パンサーからボールを奪って、起死回生のTDを決めたアイシールドが倒れていた。

そいつをベンチに運んでやれ。
ヒル魔にそう言われて、十文字は驚いた。
泥門デビルバッツには、栗田という最強桁違いのパワーの持ち主がいる。
わざわざ十文字を指名する必要などないだろうに。

それでも文句を言うことなく、十文字はアイシールドの横に屈みこんだ。
ゆっくりと背中と膝裏に腕を回す。
こんな小さな身体で、屈強な男たちに立ち向かうアイシールド。
十文字なりに尊敬もしている。
こんな時に助けてやるくらい、不快でも何でもない。

抱き上げた瞬間、アイシールドの首がカクンと後ろに仰け反った。
意識がなく、力が抜けているからだろう。
大丈夫かと顔を近づけた瞬間、見えてしまった。
ヘルメットと色付きのアイシールドの隙間。この少年の素顔。

まさか。十文字はすばやくベンチの方に視線を送った。
そこにいるのはマネージャーのまもりだけ。主務のセナはいない。
次にヒル魔に視線を向ける。
ヒル魔は鋭い視線で、十文字の視線を受け止めた。
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