長編(アイシ)

□スーパーボウル 3rd season
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【注意】
この作品は2011年のスーパーボウルの試合内容に準じております。

いよいよ選手の入場だ!
セナは歓喜と興奮に顔を輝かせながら、フィールドに熱い視線を送っていた。

高校3年生、留学中のセナは、本場アメリカのNFLシーズンの熱狂を目の当たりにした。
日本では残念ながらマイナースポーツであるアメフト。
だがアメリカでは国技と言っても過言ではないほどの盛り上がりだ。
そしてその最高峰である決勝、スーパーボウル。
その時、セナはアーリントンにいた。
セナはカウボーイズ・スタジアムで、スーパーボウルを生観戦していたのだ。

一般販売されないスーパーボウルのチケットは、プラチナチケットだ。
ファンの間でやりとりされるその値段は、日本円で50万とも100万とも言われる。
抽選で当選したという偽の通知で指名手配犯をおびき出したとか。
別荘やクルーザーの使用権との交換を条件に出して欲しがる富豪がいるとか。
いろいろな逸話が、尽きることはない。
とにかく入手が困難なことで有名なチケットだった。

そんなチケット、しかも試合をよく見渡せるので特に人気が高いシートを2枚も。
ヒル魔は事も無げにGETしてきた。
そしていきなり学生寮のセナの部屋に現れ、有無を言わさず引っ立てるようにセナを連れてきた。
知らない人間が見たら、ほとんど誘拐だ。

もはや、何をか言わんや。
どうやってチケットを入手した?とか、なぜ普通に誘わないのか?とか。
そんなことをいちいち考え込んでしまっては、ヒル魔の恋人はつとまらない。
アメリカでもあの黒い手帳は絶大な力を持っているのだし、ヒル魔の強気も変わらない。
つまりいつでもどこでも、ヒル魔はヒル魔なのだ。
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