Glare4

□題名、世界
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「……フレンジィ、崇拝?」



あのお伽話の?
小さい頃に母親が話していたことを思い出す。"僕はフレンジィ、こわぁい悪魔"
歌うような声と共に現れると言われる悪魔の話だ。
まさかこんなところで出てくるとは思わなかった。
不思議に思いながらもその真下に並ぶ文字を見れば"半永久的な命を持つ闇人を多く生み出した上級悪魔"とのこと。
勇が不思議そうに眉を寄せるとすぐに小虎が言葉を紡いだ。



「この世界、グレアを構成する種族は動植物を除けば人間、妖魔、妖狐、術師、そして数年前に滅んでしまいましたが龍使いの計五種族です。しかしそれはあくまで表のグレアの住人、裏の種族として死神、悪魔、闇人、神の欠片の四種があるそうです。」

「悪魔や死神が実在する?…アコニットマン支部長は誠実な方だ、嘘を吐くはずがないとわかっているがどうも簡単には信じられないな。」

「…正直なところ、俺もまだ信じられません。しかし、」



我々人間が知らないことなどこの世界には数え切れない程あるのも確かです。
小虎は青い隻眼を臥せながら静かに言う。
小虎が言葉を紡いだ直後、バンという激しい音と共に扉が開いて珍しく焦った様子の俊が転がり込んできた。
俊は勢いよく机に両手を付き、若干声を荒げながら言った。



「勇!!」

「何があった?」

「東方支部から連絡があった。…龍使いの生き残りがここへ来る。龍使いは、滅んでなかったんだ。」





全ての種族を巻き込んだ物語はもう、始まっているのだ





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