Glare3
□もうどうにでもなれ
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「おいおい、冗談きついぜ…。」
「冗談じゃないでござるー。ぶっ殺す気だったでござるー。」
「そんな物騒なこと言うんじゃ「佗々羅ぁぁぁぁあ!!!!」」
佗々羅の言葉を遮って響いた声。
気が付いたら佗々羅は部屋の奥まで吹っ飛んでいた。
一瞬の出来事、目で追うことすらも出来なかった。
「女連れ込んで揉め事起こすんじゃねぇって何度言ったらら分かるんだよ!?」
障子の近くには佗々羅を吹っ飛ばした張本人であろう紫色の瞳に金髪逆毛の青年が立っていた。
逆毛少年は部屋の奥にうつ伏せで倒れる佗々羅を思い切り睨みつけると小太郎へと視線を移した。
「あいつがお前に何かしようとしたんだろ?悪かったな。」
「いや、某は別に何もされては…。」
「そう嘘吐かなくったっていいぜ。あいつが悪いってのは俺達がよく分かってっから。」
「…俺、達?」
嫌な予感がした。
笑顔で障子の外を指差す逆毛少年に引き攣った笑いを送ってからゆっくりと外を見る。
するとそこにはにっこりと言う擬音がよく似合う笑みを浮かべた猫またの姿。
猫または栗色の髪を風邪に揺らしながら言葉を紡いだ。
「悪いのは佗々羅君だってことは分かってます。でも、お部屋壊したのは貴方さんですよね?」
弁償してもらうまではお家に帰しませんよ。
小太郎はめまいが起きそうだった。
それと共に自分を連れてきた佗々羅を恨めしく思うのも忘れなかった。
嗚呼、母上。
某はなんて不幸なのでしょうか。
(住み込みで働いてもらいますからね)
(…もうどうにでもなれ)