Glare3
□双子座の行方
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ふいに、禍々しい色が双子の瞳に映る。
お仕事、お死事。
彼等が指すそれは暗殺者として標的を闇に葬り去ることだった。
カイトは『禍月』と言う通り名で有名な西国最高の暗殺者だった。
そんな暗殺者の元で育ったのだ、エディオリシカもエディリオールも幼いながらに立派な暗殺者となっていた。
強化ワイヤーで相手を拘束し、始末する姉のエディオリシカと素早い動きで翻弄し長い袖の中に隠した鉤爪で標的を裂くエディリオール。
彼等もまた、『禍月』の側に輝く『双子の凶星』として西国をはじめ東国にも知れ渡るようになって来た。
「…今日は久し振りに仕事が無いな。どこか、出掛けるか?」
「ほんとっ!?カイト!」
「リオ、こんなところで嘘を吐いてどうする?本当に決まってるだろ。」
「そうだわリオ、カイトが私達に嘘を吐いたことなんて無いでしょう。」
「あっ笑うなよカイト!それにエディも!」
「くく…すまないな。で、どこへ行く?」
「「カイトとならどこへでも!」」
エディオリシカもエディリオールもカイトに強制されて暗殺者になった訳では無い。
自ら望んで暗殺者になったのだ。
カイトを命の恩人として、義理の親として愛しているからこそカイトの仕事を手伝いたかったのだ。
無邪気な双子はカイトを慕い、標的に牙を向く。
それはいつ終わりが来るとも分からないが、その時まではずっと。
「「カイト、カイト、だぁい好き!」」
双子座は見付けた
美しくも禍々しい月を
END.