Glare3
□双子座の行方
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パチパチとものが焼ける音
『生き残りか?』
その人は僕と私に聞いた
『よかった…お前達だけでも、救えてよかった。』
その人は僕と私を抱き締めた
『俺と一緒に来るか?』
その人は僕と私の目を見ながら尋ねた
「…目が醒めたか。おはよう、エディにリオ。」
もぞり、と動いた毛布を見やるとカイトは静かに言った。
毛布から僅かに覗くのは翡翠色をした小さな頭、二つ。
それらはしばらくもぞもぞと毛布の中で動いていたがやがて顔を出し、淡い青色をした大きな瞳をゆるゆると開いて世界を映した。
「カイト…おはよぉ。」
「おはようございます、カイト…。」
翡翠色の髪を短く刈り込んだ少年、リオことエディリオールと同じく翡翠色の髪を高いところで二つに結んだ少女、エディことエディオリシカ。
彼らは双子で5年前、たまたま町に立ち寄ったカイトに拾われた。
否、町と言うのは少々語弊があるかもしれない。
町だった、何かが焼ける臭いと血の臭いが混ざり合う荒れ果てた場所でカイトは寄り添って震える二人を見つけたのだ。
生存者は二人だけ、孤児となってしまった彼等をカイトは同情と興味半分で育てる事に決めた。
…はじめのうちは。
はじめのうちこそ気紛れで育てていたカイトだが月日が経つにつれ段々と愛しく思うようになっていった。
今では大切な娘息子のようだ。
可愛くて、可愛くて仕方が無い。
「昨日は疲れただろう?」
「大丈夫ですよ、カイトのお手伝いが出来たなら全然。疲れなんて吹っ飛んじゃいます。」
「俺も!留守番じゃなくてカイトと一緒にお仕事出来て嬉しかったよ。」
「「カイトとのお死事、だぁい好きだもん。」」
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