Glare3

□新兵に告ぐ
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諸君、ようこそ東雲国軍隊へ。
君達が難題を乗り越えてこの場所へやって来たことは重々承知している。
しかし、一つ質問をしよう。
プライバシーを侵害する訳では無いが君達には恋人はいるか?
いや…恋人で無くても良い、大切な者はいるだろうか?
いない者も聞いてくれ、いる者はよりしっかりと聞いてくれたまえ。

君達の左襟に付いている十字はわかっているだろうが我が軍の者である証しだ。
そして、全員では無いがこの中から戦場へと赴く者が出て来るだろう。
そこでだ、君達は死なずに帰って来る自信はあるか?
無い者は直ちに十字の記章を取り退室したまえ。
入隊理由を読ませて貰ったが君達の大半は大切な者を守りたいからと書いていた。
他国では大切な者を守る為に落命するも栄誉と言われることがあるが私はそうは思わない。
戦場にて落命し、遺品だけが帰って来たとしたら大切な者は酷く悲しむだろう。
戦場から必ず生きて帰って来る、その約束が出来る者達に対して私達は最大限努力し、支えることを誓おう。
何度も言うようだが君達には生きて帰って来る義務がある、それを忘れないでくれ。
以上で私の話は終わりだ。
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