Glare3

□想われレディ
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「二人とも、喧嘩にしては度が過ぎていますよ。」



声と共に現れたのは猫ことチェシャ。
一体どういうつもりですか、穏やかな声で続ける猫の目は全くといっていいほど笑っていない。
イカレもメルトもなかなかの強さの暗殺者だ。
しかしその二人が蛇に睨まれた蛙状態である。
それは口許だけで笑う猫の殺気の強さを物語っていた。



「まず…何か言わねばならないことがありますよね?」

「「申し訳ございません。」」

「その通り。眠りの看病は二人で交互におやりなさい。」

「「わかりました。」」



息の合った二人の言葉に満足そうに頷くと猫はくるりと背を向けて歩き出した。
そう、眠りは今風邪をひいて寝込んでいる。
そんな眠りをどちらが看病するかでさきほどの命がけの喧嘩が始まったのだった。
彼女溺愛のイカレと超の付くシスコンのメルト。
どんなに些細なことでも眠りが関わると今日のような喧嘩が始まるのだ。
二人が仲良くなる可能性は無に等しいだろう。
再び滲み始めた二人分の殺気で猫は悟り、長い溜め息を吐いた。



「眠りも凄い方々に好かれましたね。」





END.
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