Glare3

□言霊
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「時雨!!」



風祭に着いた途端煉牙に強く抱き締められた。
時雨は目を丸くした後、柔らかい笑みを浮かべながら抱き締め返す。



「よかった、俺お前のことが心配で…!」

「私大丈夫だから。…心配させてごめんね。」



かたかたと震える煉牙の頭を優しく撫でながら時雨は言う。
心配させて申し訳ないと思う反面、嬉しく感じていた。
普通の恋人同士よりも会えることが少ないが確かに自分の事を想っていてくれたから。
種族は違えど煉牙を愛せてよかった、時雨は強く思った。



「…お二人さん、いつまでそうしてるおつもりで?」

「か、影人様!!」



いつのまにいたのだろうか。
腕組みをしながら壁に寄り掛かる影人の姿が視界に入ると、時雨はすぐに煉牙から離れた。
時雨の顔は見る見る赤くなる。
影人は面白そうに目を細めながら歩み寄ると時雨の頭をがしがし撫でた。
乱暴だが影人らしい頭の撫で方に時雨はよろめきそうになりながらも笑った。




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