Glare3
□ガトーショコラ
2ページ/3ページ
「駒助ー♪」
「うわぁぁあ来たぁぁ!!」
あたしのお目当てのあの子、駒助はあたしを見るなり嫌そうな顔をして走って行っちゃった。(化け物に出くわした感じの表情だったから正直傷ついちゃった)
あたしが何したって言うの?
確かにいつもあの子のことからかったりはしてるけど…今日だけは逃げないで欲しかったんだけどな。
「ねぇ駒助、あたしの顔見ただけで逃げるのはどうかと思うわ。」
「か、影から出て来るなんて卑怯だぞ!」
自分の影に潜り込み駒助の背後に出る。
あたしの能力は影なんだから有効に使わなくちゃ。
ぎゃーぎゃーうるさい駒助を無視して抱き締める。
駒助の長い髪が頬を撫でてくすぐったい。
いつも抱き付いてるけど今日は特別でいつもよりも幸せな気持ちになれた。
「ば、馬鹿女!早く離せー!!」
…ムードもへったくれも無い奴。
でもこんな子が好きなのよね。
あ!愛してるって言う意味じゃないわよ?
あたしには仮にも壱助がいるんだし…なんて言うのかしら、可愛い弟分って感じかしらね。
壱助と別れたら考えてみようかしら…なんて。
まあそんなことはともかく、そろそろ今日の本題に移ろうかしらね。
暴れる駒助の髪をすきながら声を掛ける。