Glare3
□ブラッディーローズ
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それは遠い遠い昔の話。
僕が闇色兎と呼ばれる前…フレンジィだった頃の話。
今も昔も僕は周りからは恐れられていた。
ヒトを殺すことをなんとも思わない、それどころか楽しんでるからだって。
悪魔の本能に忠実な僕は同族からも恐怖の対象として見られた。
「ねぇフレンジィ、貴方ちょっと殺し過ぎじゃない?」
「フレンジィさん…また殺って来たんですか?」
「…少しは控えろ、フレンジィ。」
同輩のルチカ、後輩のジキル、闇神子で上司のキメラからも言われた。
どうして?君達は何も感じないの?
全生命を注いで奏でられる断末魔、肉を切り裂く感触、暖かい血が体にかかる心地良さ、血の芳醇さは極上なワインにも勝る。
堪らないものがあると思うんだけどね。
「僕はフレンジィ、こわぁい悪魔♪真っ赤な血を見せておくれ、今日の獲物はだぁれだ♪」
ある日、いつもどおり三人の制止を振り切った僕は小唄を歌い獲物を探していた。
目に止まったのは栗色の髪の女の子。
この子に決めた。
口許をつり上げて笑うとその子の背後にそっと降り立った。