Glare3
□君とふたり
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「…氷狐?寝ちゃ、た…?」
返事はない。
その代わりとでも言うかのようにすーすーと規則正しい寝息が聞こえた。
首元に顔を埋めたまま寝るものだから時折寝息が首にかかりくすぐったい。
殺し屋と言う仕事上常に気を張っていないといけないから疲れたのだろう。
セリはそう思うと氷狐を起こさないようにそっと振り返ると頬に触れ囁いた。
「いつ、もお疲れ様…氷狐。…だ、い好き。」
氷狐には聞こえていないとわかっていても自然と顔が赤くなる。
込み上げる恥ずかしさにあたふたしていると氷狐が小さく声を漏らして身をよじらせた。
起きたのかと思って一瞬心臓が跳ね上がったがどうやらまだ寝ているらしい。
セリは胸を撫で下ろすとちらりと氷狐を見やった。
…なんて幸せそうな寝顔だろうか。
気持ち良さそうに寝ている人が近くにいると眠くなるものだ。
セリは氷狐にもたれかかるとそっと意識を手放した。
氷狐とセリのお昼寝は日が傾き、アリスとメロウが二人を探しに来るまで続いた。
END