Glare2
□不思議な訪問者
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「わー小虎って幼女趣味だったんですか!」
「違うに決まってるだろ、馬鹿か。」
「…。」
「俺そう言う趣味ありませんから勇殿もそんな顔しないで下さい。」
予感は的中。
誤解されそうな場面を所用から戻って来た勇と宗一郎にしっかりと見られてしまった。
自分に抱きつく少女に囃したてる同僚、それに加え遠い目をする上司。
小虎はいろんな意味で苦しくて仕方がなかった。
再び出そうになった溜め息を飲み込むと向き直った。
「この子…俺が本部から出てきた途端抱きついてきたんですよ。」
「…。」
「それに俺のことご主人ご主人って…。」
「…小虎。」
珍しく真剣な面持ちで宗一郎は小虎に声をかけた。
声をかけられた小虎もナズナについて何か重要な事を知っているのかと思い、自然と真剣な面持ちになった。
「なんだ、宗一郎。」
「小虎、もしかして…この子、人形じゃないですか?」
「人、形?」
驚いた表情で返答すれば宗一郎は軽く頷いた。
宗一郎が言うには昔優秀な人形師がいて、その人形師は創った人形に命を込められるとまで言われていたらしい。
「そしてこの子の唯一の人形としての部分はここです。」
ぐいと袖をまくりあげられる。
関節の部分にある球体、それこそがナズナの持つ唯一の人形としての部分だった。
「やぁ!やめてください!!」
「あ、ちょっと…!」
暴れ、宗一郎の手を振りほどくと直ぐ様関節を隠すかのように両手で被い、ナズナは言った。
その時、初めて勇とナズナの目があった。
「…近藤さま?」
「…っ!?」
「近藤さま!近藤さまですよね!?」
お久しぶりです、近藤さま。
ナズナは小さくお辞儀をすると微笑んだ。
忘れようとしていた不思議な感覚が勇のなかに蘇った。
君の笑顔は
初めてではない気がした
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