Glare2
□哀しみに口付けを
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「ロア、どうしたんだ?」
「…ぁ、ジュイ様。」
何も考えてなかった。
ジュイに名前を呼ばれ、ロアは我に返って返事をする。
ジュイはロアをちらりと見、気遣うように言葉をつむいだ。
「大丈夫か?さっきからぼーっとしてるみたいだが。」
「…えぇ、大丈夫です。ご心配をおかけしました。」
「…恋人の事、だな?」
遺してきた恋人が心配なんだろう。
ジュイはオッドアイの瞳で真っ直ぐロアを見つめた。
その通りだった。
想死してから3ヶ月、自分の死を知ったであろうあの人が今どうしているかが知りたかった。
「…差し支えなければ話してくれないか?お前と、恋人の話を。」
「…わかりました、お話しします。」
濃い桃色の瞳がゆらり、揺れた。