Glare2

□失ったものとありがとう
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「くそ…この人数差じゃ到底…!」



本部。
勇達は自分達の倍以上の人数と戦っていた。
今はなんとかもちこたえているがこれ以上は無理だった。



「ぐぁっ!」



銃声が響き、勇の目の前の兵士は絶命した。
銃声の聞こえた方を見ればそこには暗殺部隊長、雛塚小虎の姿があった。



「小虎…。」

「しずえ君に増援を頼みました。なんとかこの場を持ち堪えましょう。」



言うなり小虎は刃物の付いたトンファーの様なものを取り出し近くの敵を倒し始めた。
流石は人間武器庫。
勇も感心しつつ敵を倒すことに専念した。



「雛塚隊長、増援呼びました!」

「しずえ君か、ありがとう。」



しばらく時間がたち敵の人数も少なくなってきた頃、しずねがやって来て小虎に報告した。
目の前の敵を倒しつつ小虎は言う。
背中併せに戦う小虎と勇。
小虎には見えていなかった、少し離れた場所からライフルが勇を狙っていたのが。
しずえは見るなり叫んだ。



「軍隊長!!ライフルが…!」



パン。
一瞬の出来事だった。
小虎は戦っていた敵を蹴り倒すとライフルの弾道から勇を外すために勇の背を強く押した。
勇は倒れ、弾道には小虎が残る。
小虎は避けようとしたが無理で、ライフルの弾は小虎の左目に命中した。



「う"ぁ"…!!」

「雛塚隊長!?」



左目に走った激しい痛み。
左目に気をとられ小虎は力なく地面に伏し、同時に意識も手放した。
そんな小虎を見るとしずえは直ぐ様弟のしざまと共に小虎を運びだした。
途中で敵軍の兵士に狙われ掛けたが勇と、駆け付けてきた韋助と宗一郎のお陰で大丈夫だった。
全てが混ざるような感覚は、忘れられない。




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