Glare2
□守りたいもの
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「ゴルァ小虎ァァア!!」
「俺じゃないですよ俊殿ォオ!!」
俊の怒声と小虎の悲鳴、そして韋助と宗一郎の笑い声が混じり合う。
勇と弌、そして琴音は遠くからその光景を見守っていた。
「あらあら、賑やかですね。」
「いつもならあの組み合わせに隊長補佐が入るから余計に騒がしいですよ。」
「ああ…小早川姉弟と新堂姉妹か。」
弌の言葉に勇は納得したかのように苦笑した。
小早川姉弟は小虎を、新堂姉妹は韋助を慕っている。
そのため、度々衝突しているのだ。
そんな彼等がいない分、勇たちには平和な日だと言えるだろう。
「弌、お前も大変だな。」
「俺は平気ですよ、ひかる君一人だけですから。大変なのは俺よりも…。」
「小虎さんと俊さん、ですね。」
「確かに…苦労してるよな、あの二人。」
今度胃薬でも贈ってやろうか。
勇は声には出さずに思った。
小虎と俊は依然大声を出し合っている。
人間武器庫と夜叉。
戦場で恐れられる彼等のこんな姿を見たら敵軍はどう思うのだろうか。
あれこれ考え、勇たちは顔を見合わせて笑った。