Glare2

□幸せの定理
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最後に、君に一つ話を送ろう。
『人魚姫は陸の王子に恋をした。
海に住む人魚姫は陸では生きていけない、そこで人魚姫は魔女に美しい声と引き替えに尾を陸で歩ける足にしてもらった。
足をもらった人魚姫は陸の王子と出会ったが無情にも後日、王子は他の王女と結婚してしまった。
恋が破れた時、人魚姫の前に再び魔女が現れて言った。
王子を殺せ。
明け方までに王子を殺せばお前は人魚に戻れるが、殺さなければお前は泡になる。
その言葉を聞いても人魚姫は王子を殺さなかった。
王子を殺さず、人魚姫は王子への恋心を抱きながら身投げをした。
その時丁度日が昇り、人魚姫はきらきらと輝く泡になった。』
こんな話だよ。
君はどう思う?
彼女は、人魚姫は幸せだったのかな?
私は彼女の一生は不幸せではなかったと思うよ。
叶わなかったとしても、血に染まることのない王子への純粋な恋心を抱きながら死ねたんだ。
他の人がなんと言おうと、きっと幸せだったはずだよ。
…今のはあくまで私の考えだから聞き流してくれて構わないよ。




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