Glare2

□幸せの定理
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ラクマ、君がこれを読む日は来るのかな。
いや…いつか読む日が来ると信じて私は君へこの手紙を送ろう。

君がこれを手にしたと言うことは私は殺されたのだろう。
ラクマ、私はこの死を後悔はしないよ。
自らの手で命を作ろうだなんて愚かなことだとは思う。
しかし、そんな愚かなことをする研究所で君と出会えて私は本当に嬉しかった。
息子が出来た気分だったよ。
…出来ることなら、ガラス越しではなく君の名前を呼びながらその銀髪の頭を撫でてあげたかった。

ラクマ、優しい君のことだから私が死んだら私を殺した人達の命を奪いたくなるだろう。
しかし、それだけはしないでおくれ。
君は強い、だからこそ一時の感情に流されて人を殺めることのないようにしておくれ。
私は涙を流す君を見たくないが、人を殺める君はもっと見たくない。
君まで血に染まる必要は無いんだ。




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