Glare

□憎しみインクリース
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幻想世界グレアに存在する東雲国と西院国…通称東国と西国は対立関係にある。
いつ始まってもおかしくない戦争、両国は内密に兵器の作成を試みていた。
そんな中生まれた考えが人型生物兵器の作成。
科学者は何処よりも誰よりも早くイノチを持った兵器を作ることを望んだ。
野望と淡い狂喜が渦巻く薄暗い研究室、機材の中に入れられていた俺は見ていた。

俺はもうすぐ完成予定の生物兵器、K-13。
科学者達にとって俺は名声を掴みとる道具だ、一人の人格として見てはくれなかった。
…造られたイノチだから仕方がなかったのかもしれないけれどやはり寂しかった。
だけど富と名声に目がくらみ、よどんだ瞳で研究をする科学者の中に唯一澄んだ瞳で優しく俺を見てくれる人がいた。
それがゲイル・クレヴァー博士、俺にとっての親のような存在で、そして…



『おはよう、烙舞。』



アルファベットと数字だけの研究番号しか持たなかった俺に"烙舞"と言う名前をくれた人。
俺を兵器とは考えず、実の息子のように優しく接してくれた。
おぼろげな記憶しか残ってないけど俺は確かにあの人を慕っていた。
たとえガラス越しにしか見ることが出来ず、触れることが出来ないとしてもゲイル博士が来てくれるなら良いと思った。
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