Glare
□一話
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「…。」
僕は確かに死んだ…はずだった。
「目ェ醒めたんだな、おはよー。」
目の前には金髪に黒いメッシュの入った同い年くらいの男。
辺りを見回せばアンティーク調の趣きある部屋。
僕は、今いる場所が死を覚悟したあの月神の里ではないと言うことを混乱しそうになる頭で必死に理解しようとた。
「なん、で…」
「お前は死んだんだよ。強い想いを残してな。そして…」
金髪の男はどこからか取り出したナイフを僕の胸に深々と突き刺した。
そんな男の行動に驚きながらもこの先にやってくるであろう激痛に思わず目を瞑った。
…しかし、痛みはない。
刺されたはずの胸を見れば傷なんてなくて。
驚いた僕をちらりと見たあと、男は言い放った。
「お前は、死神になった。」