Glare

□一話
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「…。」



名乗ることも出来ず、目を伏せる僕に男は…リャオは言った。



「名前…わかんないんだろ?死神ってな、歳とらねぇんだよ。大切な記憶を失わず半永久的に続く命が約束される。その引き替えに、本当の名前を失う。」

「じゃあ…僕の名前は……。」






「ネオン。これからはそう名乗りなさい。」






「ぇ…!?」

「…はじめまして、新人死神君。」





ふわり、風が吹いたかと思えばさっきまで何もなかった空間には一人の男の姿があった。
細身の眼鏡をかけたオレンジ色の髪を持つ優しそうな男は僕に笑いかけた。



「俺の名前はリッカ。死神を束ねる死神長をやらせてもらってる。」

「あの…リッカ、さん。ネオンって言うのはなんですか?」

「ああ、それは君の名前だよ。」



名前がないままだと色々と不便だろうから。
唐突に付けられたネオンと言う名前に戸惑いはあったが、不思議と嫌な感じはしなかった。

それと…。
リッカさんはリャオへと視線をずらした。



「リャオ、君はネオンを連れてモミジ達の所へ。」

「りょーかい、リッカさん!」



少し茶化すように敬礼をするリャオを見るとリッカさんはまた、優しく笑った。

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