Glare
□サヨナラを飲み込んで
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『…緋影様……』
だけど、もしも此処が死の世界ならば貴方に届くわよね。
『緋影様…お疲れ様でした。』
『貴方のこと…ずっと愛しています。』
さよならは言わない。
さよならなんていったら逢えるものも逢えなくなってしまいそうだもの。
そう思うから、私は愛の言葉を呟くの。
時が流れても、この気持ちはきっと変わらない。
私、心からそう誓えるよ。
『僕も…愛していますよ、閃…。』
本物か幻かわからない声。
だけどそれは、確かに緋影様の声で…。
私は驚きつつも微笑むと、そっと意識を手放した。
…瞳を閉じた時、緋影様の姿が浮かんで嬉しかった。
緋影様に恋をしたまま、私は消えるの。
繋いだ手離れたけど
変わらないよね愛する気持ち
綺麗な短いこの時間に
私は胸を張って言う
貴方に逢えてよかったと…
END.