Glare4

□代価の目
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「俺と茜のことを忘れていないか?お前の相手は俺達がしてやる。」



黄泉の声でコロナの存在に気が付いた時雨は目を丸くするが直ぐに小さく一礼してサイレンスの元へ駆けて行った。
面白くないのはコロナだ、折角背後から仕留めることが出来ると思ったのに黄泉に妨害された。
憎らしげに黄泉を睨み付けるとコロナは黄泉の手を振り払った。



「余計なことしないでくれる?俺達はただお姫様の命が欲しいだけなんだけど。」

「ただと言う言葉は命に対して言うものではないな。…尚更お前らのすることを見過ごす訳にはいかない。」

「…へぇ?」



濁った緑色の瞳が細められる。
それと共にその端正な顔に刻まれる酷く嗜虐的な笑み、美しいのに何処か醜さを感じさせるそれに黄泉は軽く吐き気を覚えた。



「ねぇ灰色、君は崩壊を知ってる?」

「…何をいきなり。」

「知らないなら俺が教えてあげようと思ってね。」



刹那、コロナの瞳が怪しく光った。
脳内を何かが駆け巡り、形容しがたい何かが込み上げて来る。
ふいに脳裏に浮かんだのは赤い、紅い、炎…



「ヨミー!!」
甲高い声が聞こえたかと思うと軽い衝撃を受けて黄泉は二三歩よろめいた。
よろめくとともに先程の妙な幻像はかき消える。
今のは一体…?
頭に疑問符を浮かべる黄泉の顔を茜は心配そうに覗き込んだ。
遠くで聞こえるのは、コロナの舌打ち。
コロナは大袈裟に溜め息を吐きながら肩を竦めた。



「あーあ、妖狐が邪魔しなければ灰色を殺せたのに…余計なことしないでよ。」

「ヨミーは殺させないよ。」

「吠えるだけならいくらでも出来るんだよ。だったら君のことを先に壊そうか?」



再びコロナの瞳が怪しく光った。
思わず目が行ってしまうがそれを制するように茜は黄泉の服を軽く引っ張った。
怪しく光る瞳は人間のものでは無いことを茜は知っていた。
この世界には知る人ぞ知る三強とも謳われる双子がいる。
一組は時神子のジュイと闇神子のキメラ、一組は双子の凶星の異名を持つ暗殺者のエディオリシカとエディリオール、そして最後の一組が…



「異形の瞳を持つ闇人、コロナとサイレンス。」





平凡を脱ぎ捨てて僕達は力を手に入れた





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