Glare5

□The world
1ページ/1ページ


あたしにもあたしなりに好きなヒトがいて、生者の乙女のように恋い焦がれてみたりしたわ。
恋は魔物、恋は麻薬、まさにその通りね。
あの人の一番になりたくてあたしなりに努力したり…嗚呼、懐かしいな。


あのね、あたしがいつも付けてる赤いリボンのカチューシャ、あの人が似合ってるって言ってくれた宝物なの。
このカチューシャが似合うのはセカイというセカイを探してもきっとあたしだけ。
だって、だって、あの人お墨付き、あの人の言葉であたしの世界は彩りを増すの。


ねえ、ねえ、大好き。
お話出来ると嬉しいの、一緒にいると幸せなの。
きりりと痛む心が暖かさで満ちていく。
嗚呼、あなたは立派な悪魔ね。
本当に敵わない、そしてこの気持ちも叶わない。
だけどね、不思議と負の感情は湧かないのよ。
思い浮かぶのはあの人の幸せ、血濡れの彼にも全てを創造なさった偉大なる御主は祝福を与えてくれるかしら?


片想いの執着点は相手の幸せとあたしは悟るわ。
あの人が幸せになれるのなら、あたしも幸せになれるの。
悪魔のくせにって?上等だわ、一風変わった悪魔っていうのも珍しくて良いでしょ?
常識なんて知らない、あたしはあたしよ。
あたしはね、あたしの愛する人に幸せになってほしいの。
悪魔にとっての幸せが何かとかはわからないけど、あたしはあの人の幸せを願いつづける。





The world
(愛してるわ、───。)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ