Glare
□混血レクイエム
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人間の父と雪女の母との間に乱れ雪月花の通り名を持つ私、飛沫は生まれた。
妖魔ハーフ。
そう呼ばれる私は禁忌の子供として忌み嫌われていた。
「…。」
人間でもあり、妖魔でもある。
裏を返せば人間でも妖魔でもない。
よく分からない存在だからこそ私は周りから孤立せざるを得なかった。
「父上…母上…。」
二人とももういない。
禁忌の子供を生んだ親は処刑されるのが決まりだ。
私を生んだことで哀れにも両親は罪人として命を落とした。
…本来ならば私も殺されるはずだった。
しかし、両親の助けもあって何とか生き長らえた。
いや、死に損なったと言うべきか。
どちらにしろ命を狙われることには変わりなかった。
「種族なんて…関係ないじゃないか。」
愛に境界線はないと言ったのは誰だったか。
その言葉に感化されたのは誰だったか。
恋をした相手がたまたま妖魔だった、そして人間だっただけなのに。
私は、そんな二人の愛の中から生まれたのにどうして人々の恐れと憎しみを受けなくてはならないのか。
全くもって理解が出来ない。