Glare
□二話
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「…。」
黄泉は暇を持て余していた。
研究所から出てきて数日、何をすると言うこともなく歩いた。
そして今は、歩くのにも飽きて近くの川辺でぼぅっと更々と流れる川を見つめていた。
さらさらと流れる川。
無機質な研究所から出て初めて見た自然なものに、黄泉は無意識に笑みを浮かべていた。
「おにーさん、なんか嬉しいことでもあったの?」
不意に投げ掛けられた言葉。
黄泉は驚き振り返った。
「わ、そんなに驚かなくてもいいじゃん。」
歳は15歳位だろうか。
茶色がかった金髪に、深みのある紅い目を持った少女とも少年ともとれる中性的な人物がいた。
黄泉はまじまじとその人物を眺めたあと、気付いたように自分の右目を隠した。