短編・お題小説

□遺されし者
1ページ/7ページ




蛍屋の女将ユキノは、先日裏の堀で侍を拾った。

生命維持装置に横たわっていた、北軍の軍服を着た男。


今日も奥座敷の一室に、眠っている男の元へ足を運ぶ。
拾って三日、まだ目覚める様子は無い。





シチロージは、霞のかかる意識なか見慣れない天井を見ていた。


「気が付いたかい?」


障子の開く音ともに入ってきた女が、自分に問い掛ける。




.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ