・BL SyoUSeTsu・

□☆好き /4n
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リ「先輩…、何してんスか……」
不「やぁ越前。見つかっちゃった?」
部室に忘れ物をしたリョーマはもう閉まってると思ったのに明かりのついていることに気
づき、鍵を取りに行かずにすんだと素直に喜んでノブを回した。
そして次の瞬間リョーマの忘れ物である汗をかいたので着替えたシャツに顔を埋めている
怪しげな不二を見たのだ。
呆れる目を向け、返せと言わんばかりに片手だけ差し出しているリョーマ。そんな彼を不
二はにこやかにシャツを抱きしめたまま物欲しげに見つめている。
リ「何スかその目。物欲しげに見えるんすけど。」
ちょっと不気味になってきた不二に恐れを感じ始めつつも平静を装って尋ねる。
リ「先輩?…聞いてんすか?」
不「クスっ。ねぇこのシャツ返すからキスさせて?」
リ「はぁ?」
訳の分からない不二の答えに思わず怒ったように言った。
不「そう怒らないでよ♪アメリカでは挨拶でしょ?」
リ「呆れてるだけっスよ。ていうか何で俺があんたとキスしなきゃなんないわけ?」
不「クスクスっそんなの決まってるじゃないか♪越前のこと好きなんだよ、僕。」
にっこりリョーマには理解できないことをさらっとずばっと言う不二を目を丸くして見つ
めた。
え「…やっぱいんない。俺帰りますね。」
嫌な予感がしたリョーマは早々に立ち去ろうとしたが、不二の手がいつの間にか越前の腕
を捕らえていた。
え「ちょっなにするんですか?離して下さいよ。」
いつもなら綺麗にも思える不二の笑顔も、今は不吉なモノにしか見えない。
怖くなったリョーマは必死で逃げようともがくが、不二の強い力ですっぽりと胸に納めら
れてしまった。
リ「ちょっ何するんスかっ!離して下さいよ!」
力の限り逃げようとするが逆に不二の手は力を増し、諦めたのかリーマは抵抗をやめた。
不「クスっ。やっと大人しくなったね。」
リ「不気味なんスけど…」
クスクス笑っている不二に刺々しい口調で言う。
不「怖い顔しちゃダメだよ?折角の可愛い顔なんだから♪まぁ…僕は怒った君の顔も好き
だけどね…」
ご機嫌な不二はリョーマの額にキスを落とした。
リ「俺帰りたいんですけどキスすれば返してくれんの?」
上目遣いに睨みつけているが、目は微かに恐怖を宿していた。
不「そうだね…最初はそれでよかったんだけどね。」
リ「…今はダメなんすか?」
不「うん♪」
呆れたように歪む可愛らしい顔を不二は今までとは違うモノを含んだ笑みで見つめた。
リ「…何考えてるか丸解りなんスけど……」
リョーマは不二の厭らしく歪んだ顔を見てより一層恐怖を覚えた。そしてアメリカにいる
とき聞いた話を思い出し思わす不二に聞いてしまった。聞いてはいけなかった言葉を…
リ「まさか先輩…俺を抱く気ッスか?」
少し潤んだ上目遣いの目に恐怖に歪む表情、そしてこれからされることを考えたのか少し
上気し始めた頬。
不二は欲望を隠そうともせずにっこりしかし爽やかに笑った。
リ「ん…ぅっちょっどこ触ってんすかっ」
不「クスっやだなぁ自分が一番よく知ってるんじゃない?」
不気味な笑みを浮かべつつリョーマ自身を触り始めた不二に身をよじった。
不「可愛いね。」
そう言うと不二はまたリョーマの額にキスを落とした。
リ「男に向かって可愛いはないと思うんすけど。」
貞操の危機だというのに未だ平静を装っているリョーマ。
それを見て不二はまた可愛いと言った。
リ「どこが可愛いんすか?…自分こそ女みたいに綺麗な顔してるくせに……」
不「くりくりした大きな目とか華奢な体つきとか。あとその生意気な言動とかかな。」
不二はふーんと言ってじっと自分を睨んでいるリョーマに付け足して言った。
不「僕ってそんなに綺麗に見えるのかな?」
リョーマはこくんと頷いた。
リ「肌とか白いし…無駄な肉がないって言うか……調度良いって言うか………」
言ってて恥ずかしくなったのか耳まで赤くなって最後まで言い終わる前に俯いてしまっ
た。
不「クスっやっぱり可愛いよ?そう思ってくれてるなんて嬉しいよ」
リ「…せんぱっちょっ本気でやる気っすか?!」
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