小説2
□ターゲットをロックオン!
1ページ/2ページ
「ロックオンってモテるでしょ」
「そ、そんなことねえよ」
アレルヤの何気無い質問にロックオンは思い切り首を横に振って否定した。
今この場所でこの手の質問はしてほしくない。
隣には片想いの相手、ティエリアがいるのだ。
ティエリアがロックオンをどう想っているかは分からないが、想い人の前で恋バナは避けたい。
しかしアレルヤは引き下がらない。
「え〜?そんなことないでしょう。じゃあ、今まで何人と付き合った?」
「あ〜……、まぁ、それなりに」
チラチラと隣を気にしつつロックオンは曖昧に答える。
ティエリアは本に没頭している。
興味のない態度にロックオンは悲しくなった。
「それなりって何人?」
何故今日に限ってこんなに食い付いてくるのだろう。
アレルヤはロックオンがティエリアに想いを寄せていることは知らない。
彼には悪気が全くないのだ。
だから怒ることはできない。
「あ〜…えっと…」
「え!そんな数えきれない程なの!?」
アレルヤは目を丸くしている。その瞳はキラキラと輝いて尊敬の眼差しをロックオンに向ける。
ロックオンはティエリアに誤解されては困ると首と手を横に振った。
「違う!違う!別に人数なんていいだろ?」
この話題に触れてほしくないことをやっと理解したらしく、アレルヤは渋々だが頷いた。
しかしその矛先はティエリアに向けられる。
「ティエリアは?」
ティエリアは瞳を本からアレルヤに向けた。一拍の間があった後、口を開く。
「…何の話だ?」
「今まで何人と付き合ったことあるかって話」
アレルヤの言葉にティエリアは眉間に皺を寄せて溜め息をついた。